2年前の2月8日に10歳で永眠したノーラの先代、Tくん。 (ご近所ではちょっぴり有名なので匿名で・・・笑) 彼は立派な営業部長でした。 今でも、彼に会いに来てくれるお客様がいます。(うちはお店なので) 今でも、彼が取り持ってくれたご縁が続いています。 彼はモス夫にとってはじめてのワンコ、特別なワンコです。 彼を、ショウと繁殖目的で輸入(あえて輸入といいます)した最初の所有者 (あえて所有者といいます)は、ショウで失格になる障害が見つかった時点で 飼育放棄をしました。 それを譲り受けた次の所有者は、障害を承知でそれでも繁殖させようとしていた ペットショップのオーナでした。 その人たちの虐待まがいのしつけの結果、性格が萎縮し、大声や、人の手足に おびえる子になってしまっていました。 彼が、1歳3ヶ月で私達のところに来た当初は、遠慮深くひっそりとした子でした。 ちょっとした夫婦喧嘩(というか、言い争い?)に怯えて隠れていた子が 徐々に朗らかさを取り戻し、いつしかみんなの人気者になっていました。 私達は特別なことはしていません。 ただ普通に、家族として過ごしただけです。 山や海、キャンプにいっしょに行きました。 普段は自分のハウス(ベッド)で寝ていましたが、キャンプの時だけは 私達の寝袋の間で、川の字になって寝ました。 フリスビードッグになって活躍する計画は、失敗しました(^^; いまいち興味が持てなかったようです。 晩年は、お店の営業部長としての手腕を発揮していました。 もうすぐ10歳という時に前脚に骨肉腫がみつかりました。 転移しているかもしれない、していないかもしれない していなければ、断脚することで、その危険性をなくすことが出来る 夫と私はとても悩みました。 まず第一に、脚がないという事実をヒトのように思い煩うことがない、と自分達に 言い聞かせ、そして、ひどい痛みを伴う苦痛を取り去ってやれること それから転移の危険性を低くしてやれることをなにより期待して、決断しました。 術後は、すぐに脚のない生活にも慣れて、ほとんど不自由なくみえました。 脚のない姿がかわいそうで、くよくよししている人間達をよそに、痛みから解放されて 再発までのわずかな時間を、穏やかに送ることが出来たと思います。 最後の日2月8日も、朝いつものように出勤しました。(お店へ) いつもより元気にさえ見えました。 最後が近づいた日々は、肺に水が溜まり寝ていることが多くて もうお店には出られなくなっていたけれど、事務所のベッドにいました。 そして、そこで最後を迎えました。 最後の最後まで、ほとんど手を煩わすことなく、ほんとうに立派でした。 その後しばらくはペットロスのような状態に陥っていた夫が、自ら、次の子 ノーラを迎えることを決めた時は、本当にうれしかったです。 夫は、最期を看取る悲しみを知り、それを含めた重い責任を負うことを覚悟で それでも動物と暮らす喜びを、彼と暮らすことで学んだのだと思います。 いまでも、彼を思い起こさせる出来事には、ウルッとしてしまうことも多いです 夫は、特にそうです。 でも、もう悲しみというより、なんだかホンワリとした温かな気持ちになるのです。
by oazukari
| 2006-02-09 01:23
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